このブログを始めてから、1ページのエッセイ漫画を2本描いたのですが、
わずか2本(合計2ページ)ながら、その作業量の多さに改めて驚いています。
作業工程は主に
- 設定
- キャラデザイン
- ネーム
- 下描き
- ペン入れ
- 仕上げ
といったところですが、1ページでも時間がかかりますね。
特に今回は、2作目にも関わらず、見込みよりもかなり時間がかかってしまいました。
この記事ではそのことについて検証してみたいと思います。
今回の作品
今回描いた、2本目の作品です。
前回とは異なり、職場の老人ホームでの出来事を描いたものです。
絵柄を簡略化したのに
今回は、作業時間の短縮のため、若干絵柄を簡略化して描きました。
にも関わらず、かなり時間がかかってしまいました。
数日に分けて少しずつ進めていたのと、「今回は確実に早く終わる」という過信があったため、
正確な作業時間を計らなかったのですが・・・、おそらく前回の作品の「4時間15分」よりもかなり長くかかっていたと思います。
どこで時間がかかったのか
体感では、仕上げの作業を延々とやっていた感じがします。
「早く終わるだろうから落ち着いてやろう」と思っていたのもありますが、特に急がずにやった結果、3時間くらいやってしまっていたかもしれません(そう考えると、所要時間の合計は6~7時間でしょうか・・・)。
あと、絵柄を簡略化したのに、ペン入れも見込みより時間がかかっていたように思います。
↓
この2作品、絵柄的にも仕上げの密度的にも、前回の方がしっかりと出来ている感じがしますが、なぜ今回の方が時間がかかってしまったのでしょう。
なぜ時間がかかったのか
検討してみたのですが、おそらく答えが見つかりました。
ポイントは2つで、
- 登場している人物の述べ人数の多さ
- 人物に色を塗る場所(ペンタッチ、ベタ、トーン)の多さ
だと思います。
登場している人物の述べ人数の多さ
数えてみると、前回が8人(馬を含み、モブキャラを除く)に対し、今回は11人です。
パッと見ではあまり感じないくらいの差なのですが、3人増える、というのはやっぱりそれだけペン入れにも時間がかかるようです。
当たり前と言えば当たり前なのでしょうが、今回は小さいサイズで描いているところも多いので、大した負担にならないように思っていました。
「小さくても時間的負担は大きくなる」というのが、今回の教訓です。
人物に色を塗る場所(ペンタッチ、ベタ、トーン)の多さ
1人の人物でも髪の毛、上の服、下の服、と分けて考えると、前回が13箇所に対し、今回は21箇所です。
登場人物が増えただけでなく、全身が映るような構図が多かったことも要因になっていると思います。
デジタルで作業しているので、ベタやトーンなどは一瞬で塗れるのですが、塗る箇所が多いと、ツールの変更や、作業レイヤーの移動の回数も増え、その分時間がかかってしまったようです。
また、ペンでタッチを入れる箇所も増えていたので、その分の時間もかかっています。
今後にどう活かすのか
今回わかったことは、
- 登場している述べ人数が多い
- 色を塗る箇所が多い
- 全身が映っている構図が多い
といった条件のときに、時間がかかるということです。
つまり、これらの要素を減らすことにより、所要時間を減らせる、と言えるでしょう。
と言っても、必要があって出ている人物たちですし、必要があって全身を映している場面なので、これらの要素を減らしてクオリティが下がってしまうと元も子もないのですが、変更が利く場合には、「減らす」という選択肢を検討してみても良いかもしれません。
「色を塗る箇所」についても、登場している人物がみんな白い服を着ている、という訳にはやっぱりいかないので、これも「必要があって塗っている」と言えるでしょう。
デザイン上塗る箇所を減らすよりは、構図で対応する方が良いように思います。
こういう「減らす」という対応は、クオリティの高さからは遠ざかってしまうのかもしれませんが、原稿が進まないタイプの人は、作り込まずに完成させる技術も必要になってくるのではないでしょうか。
あともう1つ、原稿の進行を遅くする要素が、
- レイヤーが多い
ということですね。
これは今回の作品と前回の作品、両方に共通していることですが、CLIP STUDIOで「コマフォルダー分割」を使っていたので、その分レイヤーが増え、作業が遅くなっていました。
僕自身、もともとコマフォルダーを分割しない派なんですが、「便利なのかな?」と思い、使ってみましたが、やっぱり遅くなってしまいましたね^^;
コマ毎にしっかりとマスクがかかるので、便利ではあるんですけどね。
原稿を早く完成させるには
ということで、まとめとしては、
原稿を早く完成させるには
- 登場する述べ人数を減らす
- 色を塗る箇所を減らす
- 全身が映っている構図を減らす
- レイヤーを減らす
という対応になりますね。
「画力を上げて一発で決まるように描き、描き直しを減らす」
「長丁場を乗り切れるよう根性や忍耐力を身につける」
といった対応の仕方もあるとは思いますが、今回は
「物理的に作業を減らす」
という対応を考えてみました。
試してみてください。