実際にエッセイ漫画を1ページ描いてみた。

前回の記事で、「描きたい話がないなら1ページからエッセイを描いてみよう」という提案をしました。
1ページなら1日で描けますし」なんてことも書いてありますね。
なので、まずは実際に自分でも描いてみました。
正直に言って、漫画の原稿をたった1ページとはいえ、完成させたのは5年ぶりくらいだと思います。。

↓完成原稿はこちら↓

僕自身が、いま交際している女性と、その子供とのエピソードを漫画にしたもので、先にツイッター上で公開しました。

時間がかかる

久しぶりに漫画を描いた、ということもあって、すごく時間がかかりました(笑)。

具体的には、

  • ネーム作業(コマ割り、セリフ割り、構図):1時間

    (4コマ目は写真をトレースしました。)
  • テキストのペン入れ:15分
  • 線画(背景含む)ペン入れ:2時間
  • 仕上げ:1時間

きっちり計っていたわけではありませんが、ザックリと、こういう時間の使い方でした。
ここに書いた時間を単純に合計すると、4時間15分ですね。
表向きは。

実際には1日かかっていた

そう、実際には1日かかっていたのです。

何故かというと、作業の一つ一つの段階の合間で休んじゃうんですよね。
一つ終わると、次は別の新しい作業ですから、取り掛かるのに気合いというか、覚悟が必要で、なかなか始められないんです。

そうこうしているうちに、「あと30分で12時だから、続きはお昼食べてからにしよう」とか、昼食を食べた後も「線画のペン入れは少し休んでから、集中してやろう」なんていう調子で、ダラダラと作業を先延ばしにしてしまいました。

線画のペン入れは、1コマが終わると少し休みを取ってしまって、実際は1時間ほどしかやっていないと思うんですが、2時間というカウントになりました。

線画のペン入れがもし1時間で終わるなら、すべての作業時間の合計が3時間15分で、午前中に終わってもおかしくなかったのですが、この日は休日だったこともあって、結局、午前中に始めて18時頃までダラダラとやってしまいました。

しかも今回の漫画は背景が1コマだけだし、
18時頃にツイッターにアップすると決めていたので、間に合わせるために、仕上げはかなり控え目にしてあります。
背景にもっときちんとタッチを入れたり、人物にトーンを入れたり、あるいはカラー原稿にしていたら、いったいどれほど時間がかかっていたのだろう、と怖くなりますね。
それこそ「作業の段階」が増えるので、単純な「トーン作業」の時間だけでなく、その前後の「取り掛かるための時間」もかかっていたでしょう。

それに、話自体は前日くらいから頭の中でぼんやりと決まっていたので、当日の作業はわずかながら減っていたと考えられます。
今回のエピソードは実際にあったことで、

  • 1コマ目に出会い、2コマ目は馬、大ゴマで遊んでる様子、その前に彼女を出す、最後のコマはこういうセリフで落とす
  • 最後のコマの構図はこんな感じ
  • 絵柄はこんな感じ

と、ネームの形にはしていなかったものの、今考えるとほぼ出来上がっていますね。
ここに時間がかかるときもあると思いますから、今回の作業時間はもっと延びていた可能性もあります。

次は早くなる?

ですが、次は間違いなく早く(速く)なると思います。

今回は久しぶりの作画作業だったので、まず各作業の段階に対して、「どのくらい時間がかかるんだろう」と、探り探りの状態で、時間的な見込みが立っていませんでした。
ですが今回、作業時間が4時間ほど(実際は3時間?)だと判明したことにより、次は「じゃあ4時間でやろう」という見込みを立てて取り組むことができます。

それに、久しぶりの作業に対してプレッシャーがあり、緊張もしていて、各段階が終わったときの疲労も大きくて、そのために次の作業に移るのが遅れた、という面もあったと思います。
漫画を描くことに慣れれば、3~4時間の作業に対してそれほど疲れる、ということは無くなってくるはずです。

また、「1日で描けるから」という理由でページ数を1ページに決めましたが、
「4時間の作業をさらに数日に分けてやる」
という方法もあると思います。
1日1時間くらいなら時間を取りやすいし、1日1日の疲労も抑えられます。
4日もかけて1ページの作品を作る、というのは非効率的に思えるかもしれませんが、何年もかけて1ページも描けないよりは、何倍も前進しているんじゃないでしょうか。

「とりあえず1ページ作品を描く」という手法は、久しぶりに漫画を描く、というリハビリにおいては、有効であるように感じました。

あなたも描けそうですか?

今回の「描きたい話がないなら1ページからエッセイを描いてみよう」という提案でしたが、
現状では僕自身しか試していないので、「他の人にもできる」方法なのか「わからない」というのが正直なところです。

この記事を見ていただいている「あなた」の今までの経験は、人それぞれに違うと思います。
漫画の原稿を完成させたことがある人、何作も描いている人、取り掛かったけど完成させきれなかった人、ネームを作ろうと思ったけどコマやページをうまく調整できずにやめた人、設定をストーリーに出来なかった人・・・などなど、たくさんの方がいらっしゃると思います。

今回の提案は、漫画の完成に至るまでの技術的なフォローは全くしていませんが、「そもそも描ける人」は、もちろん描こうと思えば描けるでしょう。
また、漫画を「完成させたことがない人」も、1ページくらいなら頑張って1から作ってみよう、と思ってくれるかもしれません。

ただ大事なのは、「今回の提案で、1ページを描く気になってくれるのか」ということなんですよね。
僕が目指しているのは、「描きたいのに描けない人が描けるようになる」手法なので、自分が提案したことが、他の方のやる気を上げられる方法なのかを知りたいです。

今回の記事と、前回の記事を読んで、もし漫画を描けた方がいたら、ぜひ教えてください。
作品も、もし良かったら見せていただきたいです。
今回の記事と前回の記事、両方読んだけど、まだ描く気になれない、という方も、ぜひ教えてください。
いろいろな方と出会いながら、「描きたい人が描けるようになる方法」を、探していきたいと思っています。

長くなりましたが、今回の記事はここまでです。
ありがとうございました。